副収入→自分自身の満足→将来への期待

静岡県富士宮市・デーリィランド

富士山のふもとの朝霧高原で開拓二世として、18歳から酪農を継いで、はや32年。
3人の子供たちも長女と次女が嫁いで孫が3人、三女も今年高校を卒業して就職し、妻と二人で45頭の乳牛を飼っています。

平成13年に経営が大変なので、増頭するか、他から収入を得るか迷いましたが、妻と二人で出した結論は、「酪農体験活動」」を取り入れる事でした。

富士ミルクランドに体験組合があったので、体験のノウハウができていて、はじめての私たちでも、思ったより楽に行うことができました。
最初は屋根下がなく、雨の時は、シートを張りました。
バター作りも、パンではなく、クラッカーだったのでクレームも受けました。
7年間続けてきました。
当初数百名だった入場者も、現在では、二千名になり、副収入として成り立つようになりました。

一般の人を牧場に入れることにより、普段はしないクモの巣取りや牛のブラッシングがけを行うようになり、施設は古いのですが、少しは環境整備ができるようになったと思います。

体験活動当日は、30分前には、準備を終わらせ、2時間の中で、メニューをこなし、子供たちが帰るときには、手を振って見送って「今日の体験活動もうまくいったな」と思えるように、二人で頑張ってきました。
しかし、自分自身の満足ではいけない、体験をした人に何かを掴んで帰ってもらいたいと思うようになりました。
ほかの牧場では「命の大切さ」をアピールしていますが、話の苦手な私には、うまくつながっていきませんでした。

そんな中で、酪農に使う道具の展示をした所、牛の胃袋に入れる磁石があり、これを使って「ゴミをちらかさない」環境の大切さをアピールしようと思い、なぜ、磁石を入れるか? どうやって入れるか? 磁石を入れなくてもよいようにするには、どうしたらよいか?
子供も大人も真剣に聞いてくれるようになり、将来の日本、地球に期待が持てるようになりました。

5月、6月は、体験活動が集中しますので、近所奥さんに手伝ってもらい、夏のカブトムシ狩りには、近所の小学生にアルバイトをしてもらい、洞窟探検では、90歳を超えた近所のおじさんに、満州の話や戦後、開拓でこの地に来た話をしてもらうなど、周りの人達に助けてもらい7年間行ってきました。

最初に話した通り、我が家は、3人娘で後継ぎもないので、あと何年、牛飼いができるか、いつまで体験活動をやっていけるか、わかりません。
しかし、酪農体験、カブトムシ狩り、洞窟体験など、今のメニューをできるだけ守って二人で行っていきたいと思います。