我が家の酪農教育ファーム

愛知県愛西市・加藤牧場

私の牧場は、木曽川と長良川に囲まれた輪中にあります。
亡き父の代は、当初畑作でしたが、堤防の決壊などのため、安定した収入を得ることはなかなか難しかったようです。
そこで、少しでも基盤のしっかりしたものを・・と始めたのが酪農でした。

昭和46年16頭の搾乳を開始。
48年に48頭牛舎を新築。61年には、私の就農を見込んで30頭増頭しました。
平成11年から、現在のフリーストール牛舎になり、経産牛140頭を飼養し、私達夫婦と母、従業員1名、堆肥製造販売にパート1名でこなしています。
この牛舎新築に当たって、私は当初、フリーバーンを希望していました。
だが、牛舎東側は幹線道路になっていて、堤防から牛舎内の様子がよく見えます。酪農を知らない消費者には、牛が糞の上に寝ているようにも見え、印象がよくありません。
誤解を与えないためにも、あえてフリーストールを選択しました。

平成13年、役場の方から「酪農教育ファーム認証牧場」の話がありました。
以前から、近隣の小中学生の見学や農高生の研修などを受け入れてはいたものの、もっとわかりやすく説明できないか、他の交流方法はないだろうかと考えていたので、いい機会だと思い認証を受けることにしました。
そのとき、同時にDFに加入することになりました。
周りが少しずつ廃業していく中で、DF活動は新しい仲間作りの場でもありました。
多くの人と出会い、色々な話を聞くことは、いい刺激になります。作業面での情報交換はもちろんのこと、その人の生き方、ものの見方など影響を受けることは少なくありません。

私の教育ファームの活動の基本は、まずは酪農を地域住民に広く理解してもらうことにあります。
現在、中学生の職場体験とJAの消費者交流が主になっています。
働くことの喜び、命の大切さ、牛乳生産の苦労など、できる限り伝えたいと思っています。
そして、必ず最後にこちらから「今日、体験したこと、わかったことを友達や家族に伝えてください。 一人でも多くの人が酪農を理解できるよう皆さんの力を貸してください。」と話します。

中学生の体験後の礼状に、「今まで考えたこともなかったけれど、子牛のための牛乳を私達が頂いているのだとわかった。これからは、大切に飲みたい。」 「出産は、命に関わること。母が私を命がけで産んでくれたことに感謝したい。」などと書かれていると、受入れてよかったと思います。
一方、消費者交流では結構厳しい目が向けられます。数年前には、牛乳消費拡大にある程度の理解は得られていたと思うのですが、最近では、冷ややかな視線さえも感じることがあります。
決まった所得の中、食料品の値上げは、家計を預かる主婦にとって大きな痛手です。
特に牛乳・乳製品は、毎日食卓に上るものだけに抵抗感も強いようで、せめて、今の消費量を維持して欲しいと言うのが精一杯です。

息子は、酪農学園に通い、近い将来就農する予定です。
三代目の誕生を私は心待ちにしています。
教育ファームの活動も引き続き取り組んでいってもらいたいです。
この厳しい現状が少しでもよくなり、次の世代のやる気が失せることの無いよう、私達が今、しっかりと踏ん張らなくてはなりません。
そのためにも、DFの仲間に支えられながら、一緒に頑張っていきたいと思います。