東京にこそ酪農は必要だ!

東京都青梅市・(財)東京都農林水産振興財団
農林総合研究センター

(財)東京都農林水産振興財団青梅庁舎、何やら難しい名称ですが、3年前までは東京都畜産試験場と呼ばれていました。
その名の通り、乳牛、肉牛、養豚、養鶏やふん尿処理に関する研究をするところです。
現在、乳牛30頭、肉牛10頭、豚250頭、鶏3,000羽、その他、見学者に展示するために羊・山羊・アヒル等を飼育し、畜産に関する試験研究や種畜の配布を行っています。

設立は大正時代ですが、昭和24年に現在の場所に移転し、平成17年から農業試験場、林業試験場、水産試験場の一部と統合し、さらに財団化され現在に至っています。
東京の場合、他県以上に畜産を取り巻く環境は厳しいため、より効率的な畜産経営の実現を目指しています。そのため、品種改良を行いトウキョウXや東京しゃもなどの高付加価値品種を作成したり、飼養改善、受精卵移植等の新技術に取り組んだりしています。
最近では安全性試験にも力を入れています。
さらに、畜産のPRのため食育活動にも積極的に取り組んでいます。

当場では、食育という言葉が一般的になる前から定期的に施設を開放し、夏休みの親子畜産教室や春・秋の家畜ふれあいデーを開催する中で、家畜とのふれあいや搾乳体験・アイスクリーム作り体験や畜産物を使った料理教室を通じて、畜産への理解を深める取り組みを行ってきました。
毎年行われる乳牛共進会と同時に開催される家畜ふれあいデーでは、搾乳体験、農畜産物の展示即売、ヒヨコや子豚とのふれあい、コスモスの摘み取り、骨密度測定、羊の毛刈り体験、さらには簡単な畜産加工体験など盛り沢山のコーナーを準備しています。
平成20年から始めた子豚のレースは、人気のコーナーになりました。
この家畜ふれあいデーには、毎回3,000人以上の人が集まり、すっかり地域に定着した行事となっています。

当場は最寄り駅であるJR青梅線の小作駅から約2kmの場所にあり、最初は見渡す限り畑と雑木林でしたが、今では周囲を住宅地に囲まれてしまいました。
約25haの敷地内には、放牧場や採草地、さらには雑木林が広がり、夏にはカブトムシが採れるなど、東京にあってはまさに別天地。
広場で遊んでお弁当を食べて帰る園児やサクラの時期に花見に訪れる親子連れ等を含めると、年間2万人近くの市民がここを訪れます。
最近では、見学だけではなく、搾乳などの体験や、「食と命の話」などの希望も多くなっていますし、中学校の職場体験、時には小学校へ出向いての出前授業も行っています。

牛を前にして、また、酪農教育ファームに加入して配布される教材を使いながら、牧場だからこそできることを子供達に発信し続けようと思っています。
牛や家畜に触れる機会の少ない東京にこそ、酪農・畜産は必要だと考えています。
そして、一人でも多くの人にこのような経験をする場を提供し、その経験が将来心のどこかに残っていて、食べ物、生き物を大切にする優しい大人になってくれることを切に望んでいます。
初めて牛の乳房に触った子供のどことなく誇らしげな笑顔。そんな子供達の笑顔に会いたくて、地域交流牧場の活動を続けています。