「ベゴ語」わかる

山形県上山市・蔵王マウンテンファーム 山川牧場

べゴ(牛)やヤギ、ウサギ、犬、鶏などの家畜は、何も考えないで生活しているのでしょうか。
ただ食べて成長して、子供を産んで、売られて、食べられてと、人間の都合に合わせて一生が終わるのでしょうか。
自然な型の農業・酪農を始めた時、牧場体験の受け入れを始めた時、このことを深く考えました。

家畜は怒られれば涙を流すし、売られる時も涙します。
人間には何も語りかけないけれど、いろいろ見たり聞いたりしています。
べゴにはべゴ語があるのです。
ヤギ語、鶏語、ロバ語、犬語・・・ウサギだって音も出さないようですが、よく聞いてみると、ブツブツ、ブツブツ言っています。

私は、これらの“言葉”が分かると思っています。
なぜかというと、動物たちと一緒に学習したからです。
1年半から2年ぐらいか、いえ、それ以上です。
基本の第一は、こちらが規則正しい生活習慣を守ることですが、第二は動物たちに信頼と信用があるからです。

家畜も犬くらいの知能を持っています。
家族、車、トラクターや同居する他の動物たち、出入り口、水、牧場のエリア道路などみな覚えているのです。

ある朝起きてみると、バッカバッカとひづめの音がします。
不思議に思っていると、ロバたちが県道から走り込んできました。
どこまでか、早朝の散歩に行ってきたのです。
また、ある朝は、自宅や店の周りにベゴたちが全部出て、玄関先や庭に植えたパンジーをすっかりむしって食っていました。
放牧場のゲートを閉め忘れたのを、彼らは見逃さなかったのです。
「コラーツ」と怒ると、さっと戻って行きました。

知能が高まると、動物も理性が生まれて、優しさや思いやりまで出ます。
好奇心や学習力が旺盛な学級委員長的な牛も二・三頭いて、彼らにベゴ語でいろいろ教えておくと、いつの間にか全部に伝わります。

山川牧場の動物たちは、みな知能が高く、人間の日常会話を理解します。
そして、それぞれがコミュニケーションをとりながら、自発的に生活しています。
べゴは放し飼いですが、時間になれば搾乳室へ自分で入ってきます。
犬の「ウシ」は、昼は店の営業、夜は番犬として活躍します。
ペットではありません。
べコたちは、気候が良いと一緒に遊ぼうと誘ってきます。
ふれあい牧場体験は、誰にでも優しく応対する動物たちがいるからできるのです。
また、優しくて健康なお母さん牛から、おいしい牛乳が出るのです。

牧場主は動物たちの親です。幼稚園や学校の先生です。
でも、一番大切なのは、みんなのボスであることと、ボスの役割を果たすことです。

べゴ語は、「モーモー」などという音ではありません。
伝える強い意識があるか、相手に受け取る意識と興味があるかどうかです。

人間は、食物連鎖の頂点います。
自然の循環とは、命の循環で、命は自然の中でぐるぐる回っています。
肉、卵、牛乳、野菜、果物など、大切に食べてください。