二人三脚でDF活動

北海道広尾郡・岡田牧場

(有)岡田牧場は、北海道十勝平野の南端広尾町にあり、耕地面積60ヘクタールで、乳牛頭数160頭を牧草・デントコーンの飼料自給で飼養しております。家族は、父・母・私・妻・長男の五名で一戸一法人の会社組織にしております。
我が家に酪農が取り入れられたのは昭和31年頃です。もう半世紀になるのです。
私は開拓三代目で祖父は香川県から入植しました。酪農については二代目です。牧場は沿海に位置し、日高山脈に近く中山間地の指定をうけています。

DFには平成14年に入会しました。消費者との交流は酪農教育ファームとファームインを展開しております。
私は高校卒業後就農しました。当初は畑作農業を目指していましたが、冷涼な気象条件を考慮して酪農を中心とした経営で歩んできました。 私は農業が大好きです。ですからいつもその良いとこ探しをしています。その一つに『人には裏切りがあるが、自然は裏切らない(人は自然には勝てないし)』、また『二人で一つの夢に向かい歩める』があります。

誠実な努力は必ず報われると信じていた私は25歳で結婚しました。それから30年あまり妻との二人三脚での酪農人生で、子供4人もそれぞれ自立しました。
耕地面積20へタール、乳牛10頭からのスタート時には想像もできない規模となりました。
補助事業の窮屈さを嫌い、融資と自己資金での投資額は土地・牛舎などの施設・機械類などで、1億6千万円になっています。必要最小限の投資のつもりでもこの額です。本当に酪農は装置型の産業なのだとつくづく感じます。

子供への仕送りをしているときは、脇目をふらず働いていましたが、それが終わるとき年齢も50歳を超えて、これからは何を目的に働くのかと考えるようになりました。

一般的には農業も自営業で、定年がないから良いと言われますが、こと酪農についてはそうは言えないと思います。年齢とともに体力などはおちてきますし、私たちの世代ですと、膝や腰に長年の疲労が蓄積しています。
また、経営にはそれぞれに最適な規模(経営効率の最も高い)があります。「なぁ~に年をとったら牛の数を減らせばよい。」とはなりません。

私達は良質な生乳を低コストで生産することだけに没頭してきましたが、酪農家は減り続け、国内で生産される生乳は海外産に比較して割高であるという現実ではこの先展望が開けない気がしてきました。ニュージーランドの視察で、消費者を味方にしないと生き残れないこと思いました。
その方法を模索しているときDFの活動を知り、これこそ私達の農業人生の総仕上げにふさわしいものと確信しました。

わが牧場は自己完結型の家族経営です。搾乳はもちろんほ育・育成・飼料作物の作付け・収穫とすべての作業を行っています。
エサの給与など毎日の管理で牛が健康に成長し、おいしい牛乳を出すことは、人間を含む哺乳類に共通していることです。授精、出産など生命の神秘さとも常に向き合っています。
哺乳のとき仔牛が私達を親牛と思いすり寄ってくるときや、成牛が安心して搾乳に身をまかせ、パドックの中で頬ずりをしてくれるときは、限りない喜びと心が満たされる幸せを感じます。
飽くことのない物欲・金銭欲で世の中が動いている今、この酪農の持つすばらしさを多くの人に体感してもらいたいと思います。

DF活動ではエリアの責任者を務めております。北海道ブロックの事業には可能な限り参加し、私達と同じ『変わり者集団』から大いなる刺激を受け、次への糧としております。

酪農には体験を通して消費者と交流できる素材がたくさんあります。消費者との交流も6年目に入り、地域にも少しずつ認知されてきました。
ファームインを選んだわけは、年をとってもできると言うこともありますが、なによりこのすばらしい自然を皆さんにお裾分けしたいとの想いが一番です。山・川・海・空・野の草花・虫・鳥・動物たち・緑の草地・整然と管理された広い畑など数えだしたらきりがありません。

ファームインへ休暇に来られた方がカラマツのログハウスで宿泊され帰られるとき、来られたときとは違い穏やかで、満ち足りた表情をされているのを見るとき、私達も大きな喜びを感じます。
これからも妻との二人三脚で酪農そして田舎の存在価値を発信し続けたいと思います。

※DF…地域交流牧場全国連絡会の略称